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認知症の親を施設に入れるタイミングと注意点を徹底解説

認知症の親を施設に入れるタイミングと注意点を徹底解説

「認知症の親の介護が辛くなってきたけど、施設っていつ入れるべき?

「認知症の方はいつのタイミングで施設に入るのか知っておきたい」

このような悩みや不安はありませんか。

認知症は進行性の病気であり、長期間の在宅療養が必要になるケースもあります。

介護を担う家族の負担はおのずと大きくなるでしょう。

この記事では、認知症の親を施設に入れるタイミングと検討する際の注意点を解説します。

認知症の親の介護に疲れている方の悩みを解決できるきっかけとなれば幸いです。

認知症で施設に入れる5つのタイミング

認知症で施設に入れる5つのタイミング
認知症ではいつ施設入居を行うべきなのでしょうか。

本人と家族が納得のいく方法を選びましょう。

例1:認知症の本人が望んだとき

まずは、自宅での生活に不安を抱いた認知症の方本人が自ら入居を望むケースです。

たとえば、介護者がいない生活に不安があったり、自宅で過ごしにくさを感じたりなど、施設入居を希望する理由はさまざまです。

本人の気持ちを優先しつつ、今後の生活の場について家族でよく話し合いましょう。

例2:認知症の症状が進んだとき

認知症になったばかりの頃は症状があっても、日常生活にそれほど大きな支障をきたさない場合があります。

しかし、病状が進むにつれて「数分前のできごとを忘れる」「日付や曜日がわからなくなる」などで介護量も多くなり、自宅での生活が難しくなっていきます。

無理して自宅での生活を続けると、本人だけでなく介護者のストレスが強くなるおそれがあります。

認知症の症状がかなり進行してしまう前に「○○の状況になったら施設入居を検討する」など話し合っておくと判断もつきやすくなるでしょう。

認知症の症状が進んできて悩んでいる場合は次の記事も参考にしてみてください。
⇒ 『高齢者が同じことを何度も言うのはなぜ?対応方法と認知症との関連性を解説』
⇒ 『高齢の親が寝てばかりいるのは認知症の初期症状が原因?家族ができる対処法3選』

例3:ほかの病気を発症したとき

加齢にともない、さまざまな病気にかかりやすくなります。

病気を発症すると、身体の機能が低下したり、服薬管理が必要になったりします。

なかには「退院して帰ってきたら、前より動けなくなっていた」というケースもあるでしょう。

ADL(日常生活動作)が低下し、病気を発症する前と同じような生活ができない場合も多くみられます。

施設入居はスタッフの専門的な介護やケアを受けられるメリットがあるため、別の病気を発症したときに施設入居を検討することもあるでしょう。

例4:介護者がいないと危険なとき

認知症の症状が進行すると、記憶力、注意機能や理解・判断力の低下がみられ、次第に安全面に配慮した行動が難しくなっていきます。

たとえば、ガスの消し忘れや徘徊しているときの交通事故などの危険な場面が想定されます。

さらに、食事の用意や服薬管理、お金の管理が難しい場合もあるでしょう。

厚生労働省の「令和4年(2022年)国民生活基礎調査」によると、65歳以上の世帯における単独世帯は31.8%にのぼります。

つまり、65歳以上の約3.1人に1人は一人暮らし世帯です。

介護者が家にいないと危険であると感じたときには、施設での生活を考えるきっかけとなるでしょう

最近親がさっき行ったことも覚えていないと困っている方は下記の記事も参考になるかもしれません。
⇒ 『最近忘れっぽくなったと感じたら!認知症セルフチェックや対策法を紹介』

例5:介護者が介護に疲れたとき

認知症の症状が進み介護負担が増してくると、介護者が「夜間眠れない」「足腰を痛めた」「疲労やストレスが溜まっている」などの状態となり、心身に不調をきたすリスクがあります。

いきなり施設入居を検討するのが不安な場合は、短期入居サービスを利用するという方法もあります。

厚生労働省の調査では、短期入居サービスを利用した理由で最も多いのは「介護者、家族の心身の負担軽減のため(全体の約80%)」でした。

多くの世帯で介護者の負担軽減のために入居を検討しています。

本人も家族もまずは施設の環境に慣れるために短期入居サービスから検討してみてはいかがでしょうか。

認知症の方が入居できる施設

認知症の方が入居できる施設
認知症の方が入居できる施設は、おもに以下の施設があります。

施設の種類 ポイント
特別養護老人ホーム ・原則として要介護3以上、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設
・要介護1・2の方でやむを得ない事情で特養への入居が必要だと認められる場合は、市町村の関与のもとで特例的に入居できる場合がある
グループホーム ・認知症の診断を受けている要支援2、要介護1~5の方が入居できる施設
・5~9人で共同生活を送る
有料老人ホーム 入居の条件は施設によって異なる(自立の方の施設や介護度が高い方の施設など)
サービス付き高齢者向け住宅 入居条件は自立可能な高齢者が基本

施設によって受け入れ条件が異なるため、認知症が進行した場合のことも考えて選択しましょう。

また、リハビリテーションや医療的ケアを提供している施設もあります。

本人に合った施設であることはもちろん、環境面や費用面も考慮し、長く利用できる施設を選びましょう。

認知症で施設に入れるタイミングを検討する際の注意点

認知症で施設に入れるタイミングを検討する際の注意点
施設に入れるタイミングを検討する際の注意点を解説します。

本人と家族が納得のいく施設入居のためにチェックしてください。

事前に本人と家族で話し合う

施設への入居を考える前に、まずは本人と家族の意向を時間をかけて確認することが大切です。

ただし、認知症の症状によっては、話し合いができないケースもあるでしょう。

その際は、発症前の考え方や意見などを汲み取ったうえで、本人とその家族、両者にとってよい判断をできるよう心がけてください。

認知症は誰がいつなってもおかしくない病気です。

健康なうちから将来について家族と話す機会を設けておくと、将来、選択が必要になった際に役立ってくれるでしょう。

介護者の負担が少ないうちに検討する

介護者の負担が大きくなってから施設入居を検討していては、判断が遅すぎる可能性があります。

入居を希望しても施設によってはすぐには入れず、数ヶ月から数年間待たなければならないケースもみられます。

本当に困って、今にも介護者が倒れてしまいそうな状況で入居まで数年待つのは難しいでしょう。

認知症は進行性の病気ですので、介護負担が少なく、生活や気持ちやに余力がある段階で施設入居について検討しておくことが重要です。

市区町村の窓口に相談する

施設に入れるタイミングを検討するときには、介護における本人への接し方や費用面など、さまざまな悩み、不安を抱えているでしょう。

市区町村の窓口で介護に関する相談を行えます。

現時点で受けられる介護サービスや施設の情報も得られるかもしれません。

たとえば、以下のような相談場所があります。

  • 認知症カフェ
  • 市区町村の福祉課
  • 地域包括支援センター

認知症の方本人やが家族、支援者が集う認知症カフェは、病院や地域などで開かれており、同じ悩みを持つ方たちと気軽に話ができる場です。

自治体の福祉課や地域包括支援センターでは、認知症や介護保険などについての専門的な知識を持ったスタッフが在籍しているので、適切なサポートを受けられるでしょう。

家族への接し方で悩んでいる方は以下の記事もぜひご一読ください。
⇒ 『認知症の方への適切な接し方!ポイントと5つの具体例』

施設に入れるタイミングに悩んだら相談を

本人が望んだときや本人や家族の状況により、自宅で生活するのが難しくなった時期に施設に入るのが一般的です。

ただし、施設入居の検討や準備は、本当に困ってからではなく、健康なときから本人と家族が話し合いの機会を持つことが必要です。

認知症の介護では、介護に関する悩みや不安が多く出てくるでしょう。

「専門家に相談する前にまずは話を聞いてほしい」「どこに相談してよいかわからない」というときは「ベルコメンバーズアプリ」のコンシェルジュ相談を利用してみてはいかがでしょうか。

このアプリでは、介護相談や自宅近くの施設の情報、施設の見学についても相談できます。

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